【特集】 『65歳からの年金・収入・支出の最適設計』 ― 働き方・稼ぎ方・使い方を“間違えない”ための完全ガイド ―<第5回>
📌はじめに|「年金が減らない=安心」ではない理由

ここまでの記事で、
- 年金はいつからもらうべきか
- いくらまで働くのが現実的か
- 在職老齢年金の正しい理解
- 年金に影響しない不労所得
を整理してきました。
ここで一つ、
必ず押さえておきたい落とし穴 があります。
それは、
「年金が減らない」=「手取りが増える」
とは 限らない という点です。
理由はシンプルで、
年金制度と税金制度は、まったく別物 だからです。
✅制度の整理|在職老齢年金と税金は別制度
まず大前提を整理します。
- 在職老齢年金
→ 年金が「減る・減らない」を決める制度 - 税金(所得税・住民税)
→ 収入に対して「いくら納めるか」を決める制度
この2つは 連動していません。
つまり、
- 年金が減らなくても
- 税金が増えることは普通にある
ということです。
この切り分けを理解していないと、
「働き方」や「不労所得」の判断を誤りやすくなります。
✅年金はどう課税されるのか(基本)

まず、公的年金の税金から見ていきます。
年金は「非課税」ではありません。
雑所得 として課税対象になります。
ただし、
年金には 公的年金等控除 という仕組みがあります。
たとえば65歳以上の場合、
年金収入が年110万円程度までは、
所得税がかからないケースもあります
(※他の所得がない前提)。
ここが、
「年金は税金がかからない」
と誤解されやすいポイントです。
正確には、
控除があるため、結果として課税されないことが多い
というだけです。
✅給与がある場合の注意点
次に、給与収入がある場合です。
給与には
給与所得控除 が適用されます。
しかし、
年金と給与が同時にある場合は、
それぞれの所得を 合算 して税金が計算されます。
ここで起こりやすいのが、
- 年金は減っていない
- でも住民税や所得税が増えた
という現象です。
在職老齢年金では問題なくても、
税金の面では負担が増えている
というケースは珍しくありません。
✅不労所得はどう扱われるか
④で整理した不労所得についても、
税金では別の扱いになります。
- 配当金
- 分配金
- 家賃収入
- 個人年金
これらは 年金調整の対象外 でした。
しかし、
税金の世界では 課税対象 です。
たとえば配当金は、
- 申告不要
- 申告分離
- 総合課税
という選択肢があり、
選び方次第で 手取りが変わります。
「年金に影響しないから安心」
で終わらせず、
税金を含めて考える ことが大切です。
✅数字で見るモデルケース(イメージ)
たとえば、次のようなケースを考えます。
- 年金:月15万円
- 給与:月10万円
- 配当収入:年10万円
年金は減りません。
在職老齢年金の問題もありません。
しかし、
- 年金+給与+配当
が合算され、
住民税や所得税が発生する可能性があります。
このとき重要なのは、
「年金が減らないか」ではなく
「最終的な手取りはいくらか」
という視点です。
✅判断軸|税金で迷わないための考え方
ここで、判断軸を整理します。
- 年金と税金は別制度
- 収入は合算して課税される
- 最終判断は手取りベース
「制度上OKか」
「税金上どうか」
を 分けて考える ことが、
老後の判断ミスを防ぎます。
✅実生活への落とし込み|まず確認すること
今すぐできることは一つです。
👉 自分の課税所得を確認する
- 年金はいくらか
- 給与はいくらか
- 不労所得はいくらか
これを一度、
年額ベースで書き出してみてください。
それだけで、
「思っていたより税金が増えそう」
「意外と余裕がある」
といった判断ができます。

📌まとめ|最後に見るべきは「手取り」
65歳以降の収入設計で大切なのは、
- 年金が減らないか
- 制度的に問題ないか
だけではありません。
最後に残るのは、手取りです。
制度・年金・税金を切り分けて考えることで、
老後の判断は、ずっとシンプルになります。
✅次に読むお勧め記事
📌【不労所得の裾野の広げ方】 年金を減らさず収入を増やす王道
📌【在職老齢年金の正しい理解】 2026年改訂「62万円ルール」を味方につける
📌 【年金はいつからもらうべきか】 65歳受給が「現実解」になる理由
📌【いつまで・いくらまで働くべきか】平均年金から逆算する“ベストな給料”
📌 次回予告
次回は、
「税制の深掘り」― 手取りを減らさない境界線はどこか ―
という現実的なテーマを扱います。
在職老齢年金とは無関係でも、
税金によって「思ったほど手取りが増えない」現象は起こる。
モデルケースを使い、
どこから税負担が重くなるのか/どう避けられるのかを可視化して行きます。



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