【連載】65歳からの人生を楽しくする − 今できる判断 −【認知症親の介護③】
📌 はじめに
親の介護について考え始めたとき、
多くの人がまずこう思うのではないでしょうか。
「できるだけ家族でみた方がいい」
「他人に任せるのは、まだ早い」
私自身も、そう考えていました。
それが当たり前で、正しいことのように感じていたからです。
でも同時に、
はっきりとは言葉にできない違和感もありました。
- 何が正解なのか分からない
- まだ決める段階ではない気がする
- でも、このままでいいとも言い切れない
判断できずに立ち止まっている感覚。
この記事は、そんな状態にある方に向けて書いています。
答えを出すための記事ではありません。
なぜ判断が難しくなるのか、
私はどう整理し直したのか。
その共有が目的です。
✅ 私自身の迷いと経験

正直に言うと、
私は「家族でみる介護」に強くこだわっていました。
- 家にいれば安心だろう
- 家族がそばにいた方が、親も落ち着くはず
- 他人に任せるのは、どこか申し訳ない
そう思っていたのです。
でも、現実は思っていたよりも複雑でした。
身体は比較的元気でも、
認知の影響で日常生活が少しずつ難しくなる。
失禁や徘徊、食事のこだわり。
その一つ一つが、
家族の生活や気持ちを静かに削っていきます。
それでも私は、
「まだ家でみられる」
「もう少し頑張れる」
と自分に言い聞かせていました。
今振り返ると、
判断できない状態を、
“頑張り”で埋めようとしていたのだと思います。
✅ 判断を難しくしていた構造

なぜ、こんなにも判断が難しかったのか。
理由は一つではありません。
感情の問題
- 家族でみることが“正しい”という思い込み
- 他人に任せることへの罪悪感
- 「まだ早い」と言い続けたい気持ち
情報の問題
- どこに相談すればいいのか分からない
- 相談=決断を迫られる、という誤解
- 整理できてから行く場所だと思っていた
役割の問題
- 子どもとして、どこまで背負うべきか
- 家族の負担を、どこまで許容するのか
これらが絡み合い、
「考えたいのに、考えが進まない」状態を作っていました。
✅ 地域包括支援センターで起きた転換
そんな中で、
私は地域包括支援センターに足を運びました。
正直に言えば、
行く前はかなり迷いました。
- 何を相談すればいいのか分からない
- まだ何も決めていない
- そんな状態で行っていい場所なのか
「相談=覚悟を決めること」
そんな思い込みがあったからです。
でも、実際に行ってみて、
強く残っているのは
具体的な話の内容ではありません。
安堵感でした。
「今は、何も決めなくていいですよ」
そう言われたわけではありません。
でも、空気として、確かに伝わってきました。
判断できない状態のままで、
ここに来てよかったんだ。
この感覚が、
私の中で一つの転換点になりました。
✅ 私が重視するようになった考え方
この経験を通じて、
私はこう考えるようになりました。
- 介護は、愛情だけでは続かない
- 家族でみることが、
必ずしも親の生活を守るとは限らない - 判断は、気持ちが整理されてからでいい
家族でみるか、外につなぐか
という二択ではなく、
「親の生活を守る手段として、
何が現実的か」

この視点に立ち直したことで、
ようやく考えが進み始めた気がします。
これは私の場合の話です。
他の方には、別の条件、別の答えがあると思います。
大切なのは、
自分の条件を整理せずに判断しないこと
だと感じています。
✅ あなたに返したい問い
ここで、少し立ち止まって考えてみてください。
- 今、あなたが一番守りたいのは何でしょうか
- 「家族でみる」という選択は、
誰のためのものになっていますか - もし負担が増えたとき、
その先の姿を想像できていますか
これらは、
Yes/No では答えられない問いです。
紙に書き出してみて、
初めて見えてくるものがあるかもしれません。
✅ この先を整理したい方へ
ここから先は、
「知識」の問題ではなく、
「判断の整理」の問題になります。
私はそのために、
テーマ別の
判断を誤らないための思考整理ワークシート
を用意しました。
これは答えを教える教材ではありません。
自分の条件・不安・優先順位を書き出し、
納得して判断するためのノートです。
- すぐ決めたい人には向きません
- 他人の正解が欲しい人にも向きません
でも、
「このままでは決められない」
と感じている方には、
考えを整理する助けになるはずです。
📄 無料PDF
判断を誤らないための思考整理[入門ワークシート]
※家族で介護するか決める前に、まず考え方を整理するために
📘 判断を誤らないための思考整理ワークシート【認知症親の介護編】(note・有料)
※必要な方だけ
どれも、
「今すぐ答えを出すため」ではなく、
後悔しない判断のための選択肢です。

📌 まとめ
介護の判断は、
早く決めることが正解ではありません。
判断できないのは、
能力が足りないからではなく、
整理が足りていないだけ。
地域包括支援センターは、
その整理ができていなくても、
最初に頼ってよい場所でした。
そして、
判断を支えるための道具として、
ワークシートという選択肢もあります。
どれも、
今すぐ決めるためのものではありません。
納得して判断するための、
一つの通過点です。
💡 シリーズ関連記事
- 認知症親の介護①
📌【介護が必要かどうか】私は決めなかった - 認知症親の介護②
📌【家族でみるほど良い介護になる】とは限らなかった
💡 次回予告
次回は、
「子どもがみるべきか」ではなく
「誰が続けられるか」で考える
という判断軸を扱います。
もしこの記事が、
「自分だけじゃなかった」
と感じるきっかけになったら、
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