【特集】65歳からの年金・収入・支出の最適設計 ― 働き方・稼ぎ方・使い方を“間違えない”ための完全ガイド ―<第2回>
65歳以降も働く人は、年々増えています。
再雇用、時短勤務、業務委託、副業など、選択肢も広がりました。
ただ、その一方で多くのセミシニアが、同じところで立ち止まります。
「まだ稼げるうちは、できるだけ稼いだ方がいいのだろうか?」
「でも、働きすぎて年金が減るのは避けたい…」
この記事では、
「もっと稼げるか?」ではなく
「どこまで稼げば十分か?」
という視点で考えていきます。
📌 はじめに|65歳以降の収入は“目的”が変わる
現役時代、収入の目的は明確でした。
- 生活費を賄う
- 家族を養う
- 将来のために貯める
一方、65歳以降はどうでしょう。
- 生活のベースは年金
- 収入は「不足分の補填」
- 体力も時間も有限
ここを切り替えないと、
「まだ稼げるのに、なぜか不安」
という状態が続きます。
✅ 制度の基本:62万円ルールとは何か(2026年改訂予定)

65歳以上で厚生年金を受け取りながら働く場合、
よく耳にするのが 「62万円ルール」 (2026年改訂予定)です。(2025年までは51万円です)
これは、
老齢厚生年金(月額)+給与・賞与(月額換算)
が 62万円を超えると
老齢厚生年金の一部が調整(減額)される
という仕組みです。
※老齢基礎年金は対象外
※配当や家賃収入などの不労所得も対象外
この62万円は、
「働きながら年金をもらう場合の上限ライン」
と理解しておけば十分です。
✅ 平均的な年金額から逆算してみる

では、実際の数字で考えてみましょう。
💡 平均的な年金(モデルケース)
- 老齢基礎年金:約6.5万円/月
- 老齢厚生年金:約14〜15万円/月
合計で 約21〜22万円/月 です。
ここで重要なのは、
62万円ルールに関係するのは「老齢厚生年金」だけ
という点です。
仮に厚生年金が15万円だとすると、
62万円 − 15万円 = 47万円
これが、
理論上の給与上限(月給・賞与込み) になります。
✅ でも「47万円」はベストではない
ここで一度、立ち止まる必要があります。
47万円はあくまで
「制度上の天井(理論値)」 です。
現実には、
- 税金・社会保険料が増える
- 責任や拘束時間が重くなる
- 体力的な負担が一気に増す
といったデメリットが出てきます。
✅ 現実的な“ベストな給料帯”はどこか
私の考えでは、
多くのセミシニアにとっての現実解は、
月40〜45万円前後
です。
この水準であれば、
- 年金はほぼ減らない
- 手取り効率が比較的良い
- フルタイムでなくても届く
- 長く続けやすい
というバランスが取れます。
「稼ぎすぎない安心感」
これが、65歳以降の働き方では非常に重要です。
※実際の年金額や調整の有無は、
加入期間・保険料・勤務形態(フルタイム/時短など)によって個人差があります。
ここでは多くのセミシニアに当てはまりやすい「考え方の軸」を示しています。
✅ 判断軸①:手取り効率 × 体力 × 時間

給料は「額面」ではなく、
次の3点で見てください。
- 手取りはいくら残るか
- 無理なく続けられる体力か
- 自分の時間を削りすぎていないか
どれか1つでも無理が出るなら、
その給料は「高すぎる」可能性があります。
✅ 判断軸②:「いつまで続けられるか」
65歳以降の仕事は、
短距離走ではなく長距離走です。
- 1〜2年で燃え尽きる働き方
- 70歳前後まで細く長く続けられる働き方
どちらが安心かは、明らかですよね。
✅ 実生活への落とし込み(具体例)

たとえば、
- 年金:月22万円
- 給料:月42万円
合計で 月64万円。
この水準なら、
- 年金はほぼ満額
- 生活費+余裕資金を確保
- 働き方の調整もしやすい
「もっと稼げる」より
「これで十分」
と思えるラインです。
📌 まとめ|65歳以降は「上限」より「適正」
65歳以降の収入設計で大切なのは、
- 上限ギリギリまで稼ぐことではなく
- 自分にとっての“適正ライン”を決めること
年金を土台に、
無理のない給料ゾーンで働く。
この考え方が、
長く安心して暮らすための現実解だと考えています。
💡 今日できるチェック
まずは紙に書いてみてください。
- 自分の 老齢厚生年金(月額)
- 今の、または想定している 月給
それだけで、
「どこまで稼ぐべきか」が見えてきます。
✅ 次に読むお勧め記事
📌 【年金はいつからもらうべきか】 65歳受給が「現実解」になる理由
📌 次回予告
次回は、
「在職老齢年金を正しく理解しないと損をする理由」
を、制度と実例でわかりやすく整理します。



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