【特集】65歳からの年金・収入・支出の最適設計 ― 働き方・稼ぎ方・使い方を“間違えない”ための完全ガイド ―<第3回>
📌 はじめに|年金減額への不安
「65歳を過ぎて働くと、年金が減るらしい」
この一言が、
在職老齢年金に対する不安の正体ではないでしょうか。
・働くと損をする
・頑張るほど年金を引かれる
・制度が複雑でよく分からない
そんなイメージを持ったまま、
「だったら、もう働かない方がいいのかも…」
と考えてしまう方も少なくありません。
ですが結論から言えば、
在職老齢年金は“罰則”ではありません。
正しく理解すれば、
65歳以降の働き方の自由度を高める制度です。
✅ まず結論|在職老齢年金は「調整ルール」

在職老齢年金とは、
65歳以上で厚生年金を受け取りながら働く場合に、
一定以上の収入があるときだけ
老齢厚生年金の一部を「調整」する仕組み
です。
ここで重要なのは、
「没収」でも「停止」でもなく、
あくまで調整だという点です。
そして、
誰でも減るわけではありません。
✅ 調整の対象になる「収入」はこれだけ
まず、噂や誤解が多いポイントを整理します。
💡 調整の対象になるもの
- 老齢厚生年金(月額)
- 給与(基本給・残業代など)
- 賞与(ボーナスを月割り換算)
👉 この2つの合計が基準になります。
💡調整の対象にならないもの
- 老齢基礎年金
- 個人年金(保険会社の年金など)
- 株の配当・売却益
- 不動産の家賃収入
- 副業収入(事業所得・雑所得)
ここは非常に大切なポイントです。
「在職老齢年金=すべての収入が対象」
ではありません。

✅ 2026年改訂「62万円ルール」とは何か
2026年以降、
在職老齢年金の基準は 62万円 になります。(2025年現在50~51万円)
これは、
老齢厚生年金+給与・賞与(月額換算)
が 62万円を超えた部分について
老齢厚生年金が調整される
というルールです。

✅ 具体例で見てみましょう
💡 ケース①:調整されない例
- 老齢厚生年金:15万円
- 給与:40万円
合計:55万円 → 62万円未満
👉 年金は 減りません
💡 ケース②:調整が発生する例
- 老齢厚生年金:15万円
- 給与:50万円
合計:65万円 → 3万円超過
👉 超過分の一部が調整対象になります
(全額が減るわけではありません)
✅ よくある誤解①「62万円を超えたら全部ダメ?」
いいえ、違います。
62万円を1円でも超えたら
年金がゼロになる、ということはありません。
超えた部分だけ一部調整(超過分の半分減額(支給停止))です。
この点を知らないまま、
「怖い制度」と思い込んでいる方が多いのが実情です。
✅ よくある誤解②「働くほど損をする?」
これも正確ではありません。
在職老齢年金は、
働く人と働かない人のバランスを取る制度です。
そして近年の制度改正の方向性は、
一貫しています。
「高齢者が働きやすい方向」
65歳以降も働く人が増える現実を踏まえ、
制度は少しずつ“緩やか”になっています。
✅ 判断軸①|制度は「敵」ではなく「調整役」

在職老齢年金を、
「働くと損をする制度」と見るか、
「働き方を調整する仕組み」と見るか。
ここで受け止め方が大きく変わります。
・年金は生活の土台
・収入は不足分の補完
・無理しない働き方を続ける
この前提に立てば、
在職老齢年金は むしろ味方 になります。
✅ 判断軸②|収入源を分けて考える
在職老齢年金の調整対象は、
とても限定的です。
だからこそ、
- 雇用収入は「ほどほど」
- それ以外の収入源を持つ
という考え方が自然に浮かびます。
これは、
次回テーマにつながる重要な視点です。
✅ 実生活への落とし込み|何をすればいいか
今日できることは、難しくありません。
- 自分の老齢厚生年金(月額)を書き出す
- 今後の給与水準を想定する
- 合計が62万円をどう超えるか確認する
それだけで、
「働きすぎる必要がない」
ことが見えてきます。
📌 まとめ|在職老齢年金は“自由度を守る制度”

在職老齢年金は、
- 働く人を縛る制度ではない
- 年金を守るための調整ルール
- 正しく知れば、怖くない
という制度です。
不安の正体は、
「知らないこと」
である場合がほとんどです。
制度を理解した上で、
自分に合った働き方を選ぶ。
それが、
65歳以降の安心につながります。
✅ 次に読むお勧め記事
📌 【年金はいつからもらうべきか】 65歳受給が「現実解」になる理由
📌【いつまで・いくらまで働くべきか】平均年金から逆算する“ベストな給料”
📌 次回予告
次回は、
「年金に影響しない“不労所得”の裾野の広げ方」
を整理します。
在職老齢年金を理解した今だからこそ、
見えてくる選択肢があります。



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