【特集】65歳からの年金・収入・支出の最適設計 ― 働き方・稼ぎ方・使い方を“間違えない”ための完全ガイド ―<第1回>
60歳を過ぎると、誰もが一度は考えます。
年金は、いつからもらうのが一番得なのか?
・60歳から繰り上げてもらうべきか
・65歳まで待つべきか
・70歳、75歳まで繰り下げた方が増えるのか
ネットや書籍を見ると、「○歳まで生きれば得」「期待値ではこちらが有利」といった損得論が並びます。
ですが、セミシニア世代にとって、年金の受給開始は単純な損得計算で決められる問題ではありません。
この記事では、
制度・寿命・働き方の不確実性を踏まえたうえで、
なぜ「65歳受給」が多くの人にとって現実解になるのかを整理します。
✅ 年金受給の選択肢を整理する

まず、制度上の選択肢を確認しておきましょう。
💡 繰上げ受給(60〜64歳)
- 早くもらえる
- その代わり 一生減額
- 最大で 約24%減
💡 65歳受給(本来の受給年齢)
- 減額も増額もなし
- 制度の「基準点」
💡 繰下げ受給(66〜75歳)
- 1か月遅らせるごとに増額
- 75歳まで繰り下げると 最大84%増
- ただし、その間は一切もらえない
ここだけ見ると、
「長生きするなら繰下げが得」に見えます。
✅ よくある「損得論」の落とし穴
繰下げ受給を勧める説明でよく出てくるのが、こんな話です。
「○歳まで生きれば、繰下げた方が総受給額は多い」
これは計算上は正しいです。
しかし、ここには重要な前提が抜けています。
- 自分が何歳まで生きるかはわからない
- 健康状態は年々変わる
- 働き方・収入は想定通りいかない
つまり、未来は確定していないということです。
✅ 判断軸① 年金は「保険的収入」である
年金は、投資商品ではありません。
**老後の最低限の生活を支える「保険的な収入」**です。
・毎月、確実に入ってくる
・市場環境に左右されない
・自分の判断ミスでゼロになることがない
こうした性質を考えると、年金は
「最大化するもの」ではなく
「確実に確保するもの」
と考えた方が、セミシニア世代には合っています。
✅ 判断軸② 長生き前提の期待値では判断しない
繰下げ受給は、長生きすればするほど有利です。
しかしそれは裏を返せば、
- 想定より早く亡くなれば不利
- 受給前に病気になれば生活が苦しくなる
- 働けなくなったときの支えがない
というリスクも同時に抱えます。
期待値が高い選択=安心できる選択ではない
ここは冷静に考える必要があります。
✅ 判断軸③ 「もらわないリスク」は意外と大きい
多くの人は「増やし損ねるリスク」を気にします。
しかし、現実に怖いのはむしろこちらです。
- 想定より早く働けなくなる
- 医療費・介護費が増える
- 収入が途切れる時期が来る
このとき、
「年金をまだもらっていない」
状態は、精神的にも経済的にもかなり不安定です。

✅ なぜ「65歳受給」が現実解になるのか
これらを踏まえると、65歳受給には次の特徴があります。
- 減額も増額もない「基準点」
- 収入の柱を早めに確保できる
- 働き方を柔軟に選べる
- 在職老齢年金との組み合わせがしやすい
特に重要なのは、
65歳以降の働き方・収入設計と自然につながる点です。
✅ モデルケースで考えてみる
たとえば、平均的な会社員男性の場合。
- 老齢基礎年金:約6.5万円/月
- 老齢厚生年金:約14〜15万円/月
合計で 月21〜22万円程度。
これを65歳から確保したうえで、
- 週3〜4日働く
- 収入を調整する
- 徐々に不労所得へ移行する
という設計がしやすくなります。
📌 まとめ|年金開始は「安心の起点」で決める
年金の受給開始は、
- 何歳まで生きるか
- いくら得か
ではなく、
どこから安心して人生を組み立てられるか
で考えるべきテーマです。
その意味で、
- 不確実性に強く
- 働き方の自由度が高く
- 心理的な安心感がある
65歳受給は、多くのセミシニアにとって最もリスクの低い選択肢だと言えます。
💡 今日できる小さな行動
まずは、紙にこう書いてみてください。
「自分は何歳から年金をもらう前提で考えているか」
正解を書く必要はありません。
考え始めること自体が、老後設計の第一歩です。
💡 次回予告
では、65歳以降は「いつまで」「いくらまで」稼ぐのが正解なのか?
次回は、収入と年金のバランスを具体的な数字で整理します。



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