📌親を想う気持ちと、介護を続けられるかは別だった

窓辺で静かに考え込む50代後半の日本人女性

【連載】65歳からの人生を楽しくする − 今できる判断 −【認知症親の介護④】

📌 はじめに

介護の話になると、
多くのセミシニアが言葉にできずに飲み込んでしまう感情があります。

「親のことは大切に思っている」
「できることなら、できるだけ自分で支えたい」

でも同時に、
このまま続けられるのだろうか
という不安も、確かにある。

それを口に出すと、
冷たい人間だと思われそうで、
どこかで自分を責めてしまう。

判断できずに立ち止まっているのは、
意志が弱いからでも、覚悟が足りないからでもありません。

このテーマそのものが、判断を難しくしている
私はそう感じていました。

この記事では、
「どうすべきか」は書きません。

私自身が
なぜ判断できなかったのか
何を整理しようとしたのか
その過程を共有します。


✅ 私自身の迷いと経験

書類を前に腕を組み考え込む50代後半の日本人男性

両親は、
「ふたりで元気に暮らしているから大丈夫」
そう言っていました。

その言葉を、私は信じていました。
信じたい気持ちもあったと思います。

けれど、
母の行動に違和感を覚える場面が増えていきました。

病院を受診し、
アルツハイマー型認知症と診断され、
デイサービスを利用するようになりました。

父も高齢です。
いわゆる老老介護の状態でした。

「家族で支えよう」
そう考え、子ども夫婦で関わるようになりました。

それでも、
続けるほどに見えてきたのは、
自分たちの限界でした。

最終的に、
両親ふたりを同じ特別養護老人施設にお願いする判断をしました。

この判断に、
迷いがなかったわけではありません。

今でも
「これでよかったのか」と
考える瞬間はあります。


✅ 判断を難しくしていた構造

今振り返ると、
このテーマが難しかった理由はいくつも重なっていました。

感情が先に立つ

  • 親を想う気持ち
  • 申し訳なさ
  • 子どもとしての役割意識

感情が悪いわけではありません。
でも、感情だけでは整理できない問題でした。

周囲の声が正解に見える

  • 「家族がみるのが当たり前」
  • 「できるところまでやるべき」

どれも間違ってはいない。
だからこそ、余計に迷います。

感情や情報が交差する様子を表した抽象的なイラスト

制度や選択肢が多すぎる

在宅、デイサービス、施設…。
情報はあるのに、
自分の場合にどう当てはめればいいかが分からない

この状態では、
「正しい選択」を探そうとするほど、
判断から遠ざかっていきます。


✅ 私が重視した考え方

感情や情報が交差する様子を表した抽象的なイラスト

私は、
「何が正しいか」を考えるのをやめました。

代わりに、
何なら続けられるのか
を考えるようにしました。

  • 誰が主に関わるのか
  • その状態は、どれくらいの期間続きそうか
  • 家族関係が壊れない形になっているか

これは
「楽をしたい」という話ではありません。

続かない選択は、結果的に誰も守れない
そう感じるようになったのです。

私にとっては、
介護を“抱え込まない”ことが、
親を想う気持ちと矛盾しない道でした。


✅ あなたに返す問い

ここで、
答えを出すためではなく、
整理するための問いを置いておきます。

  • この介護の形は、何年続けられそうですか
  • その間、あなた自身の生活はどうなりますか
  • その選択は、家族関係を静かに守っていますか

すぐには答えられない問いです。
紙に書いてみないと、
自分の本音が見えない問いかもしれません。


✅ この先を整理したい方へ

ここまで読んで、
「考え方は分かったけれど、
 自分の場合はどう整理すればいいのか分からない」

そう感じた方もいるかもしれません。

それは当然です。
このテーマは、
条件・感情・家族関係が絡み合っているからです。

私が用意している
判断整理ワークシート【認知症親の介護編】は、
答えを与えるものではありません。

  • 自分の条件
  • 不安の正体
  • どこまでなら続けられるか

それを書き出して整理するための道具です。

今すぐ決めるためではなく、
納得して判断するために。

必要だと感じた方だけ、
手に取っていただければと思っています。


白紙のノートとペンが置かれた静かな木製デスク

📌 まとめ

介護の判断で苦しくなるのは、
あなたが冷たいからではありません。

整理されていないまま、
重大な判断を迫られているだけ
です。

親を想う気持ちと、
介護を続けられるかどうかは、
切り分けて考えてもいい。

そのための
考える時間と道具を持つことが、
遠回りに見えて、実は一番誠実な選択だと
私は感じています。


✅ 次のステップ

親を想う気持ちがあるからこそ、
「続けられない」と感じる自分を
認めてはいけない気がしてしまう。

もし今、
「これは愛情の問題ではないのかもしれない」
という違和感が残っているなら、
その感覚を整理する場所があります。

判断を誤らないための思考整理ワークシート【認知症親の介護編】は、
正解を探すためではなく、
自分の条件を静かに書き出すための道具です。

どれも、
「今すぐ決める」ためではなく、
納得して判断するための選択肢です。


💡 シリーズ関連記事
・【認知症親の介護①】
📌【介護が必要かどうか】私は決めなかった
・【認知症親の介護②】
📌【家族でみるほど良い介護になる】とは限らなかった
・【認知症親の介護③】
📌最初に行く場所は、決める場所じゃなかった

💡 次回予告
次回は、
「いくらかかる?」ではなく「今と将来を分けてで考える」という判断軸を扱います。


もしこの記事が、

「自分だけじゃなかった」と
感じるきっかけになったなら、
同じ悩みを抱える方へ
そっと届けていただけると嬉しいです。

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