10カ所ほど見て、施設はそれぞれ違うと感じた

施設は建物だけでなく、そこで働く人を見た方がいいのかもしれないと気づくシニア男性

両親の施設を探し始めた時、私は住んでいる区内を中心に、隣接する区も含めて10カ所ほど見学しました。

それまでは、介護施設というものを詳しく知っていたわけではありません。

実際にいくつか回ってみると、施設によって印象がかなり違いました。

ある施設では、建物の立地そのものが少し暗く感じられるところがありました。

フロントに入っても明るい印象ではなく、そこで働いている職員の方々にも、どこか暗い雰囲気を感じました。

もちろん、それだけで施設の良し悪しを判断できるわけではありません。

ただ、

「ここで両親が毎日暮らすとしたら、どうだろう」

ということは考えました。

パンフレットに書かれた条件を比べているだけでは分からないことが、実際に中へ入ると見えてくる。

施設見学を重ねる中で、それを感じるようになりました。

入居者と散歩する職員の姿が印象に残った

反対に、今でも印象に残っている光景があります。

職員の方が、入居者と一緒に散歩をしていました。

特別なイベントではありません。

ただ一緒に歩いている。

それだけの何気ない日常の光景です。

でも私は、その姿を見て「こういうところも見ておいた方がいいのかもしれない」と感じました。

建物が新しいか。

設備が充実しているか。

もちろん、そうしたことも気になります。

でも、親が施設へ入ったら、そこで毎日接するのは職員の方々です。

その人たちが入居者とどんなふうに接しているのか。

私は施設を回るうちに、だんだんそこを見るようになりました。

事務室で見た職員同士の会話

もう一つ、私の印象に残った場面があります。

事務室にいる相談員やケアマネジャーと、介護士の方が会話している光景です。

当時の私は、施設の仕事について詳しく知っていたわけではありません。

見学をしていく中で、施設では介護士だけが働いているわけではないことも分かってきました。

相談員がいる。

ケアマネジャーがいる。

介護士がいる。

看護師もいる。

それぞれ違う役割を持った人たちが、入居者の生活を支えています。

そう考えると、単に「感じの良い職員がいるか」だけを見るのでは足りないのかもしれません。

それぞれの役割を持つ人たちが、きちんと連携しているように見えるか。

今の私なら、そこにも目を向けると思います。

「人を見る」の意味も少し変わった

施設探しを始めた頃の私が「職員を見る」と考えたなら、おそらく一人ひとりの対応を見ていたでしょう。

親切か。

明るいか。

入居者に丁寧に接しているか。

実際、それも大切だと思います。

でも、いろいろな施設を見た経験を振り返ると、今は少し違います。

介護士、看護師、ケアマネジャー、相談員。

それぞれに役割があることを理解したうえで、その人たちがうまく連携しているかを見る。

そこまで含めて「人を見る」ということなのだと思うようになりました。

親が施設で暮らすようになれば、一人の職員だけにお世話になるわけではありません。

いろいろな人に支えてもらいながら生活していくことになります。

そう考えると、施設の中で働く人たちの関係も、私にとっては気になるところです。

条件表には載っていないものがあった

これまで施設を探した経験を振り返ると、最初はいろいろな「条件」を考えていました。

費用。

自宅からの距離。

設備。

評判。

こうしたものは、ある程度調べることができます。

ところが、職員が入居者と散歩している姿や、相談役やケアマネジャーと介護士が話している様子は、施設一覧には載っていません。

実際に足を運んだから見えたものでした。

逆に、フロントに入った瞬間に感じた雰囲気も、数字にはできません。

だからといって、私は「雰囲気で施設を決めればいい」とは思っていません。

費用も大切です。

距離も大切です。

必要な介護を受けられることも外せません。

そのうえで、自分の目で見て感じたことも判断材料の一つにする。

私の場合は、10カ所ほど見て回ったことで、そのことに気付きました。

今なら「職員同士」も見ると思う

もし今、もう一度親の施設を見学するとしたら。

私は、入居者に接する介護士の姿だけでなく、施設全体で働く人たちを見ると思います。

相談員はどんな様子か。

ケアマネジャーはどう関わっているか。

介護士や看護師はどう動いているか。

そして、それぞれの人たちが会話し、連携しているように感じられるか。

ほんの短い施設見学だけで、すべてが分かるわけではありません。

それでも、親がこれから毎日を過ごす場所だからこそ、自分の目で見ておきたい。

建物を見る。

設備を見る。

そして、そこで働く「人」を見る。

10カ所ほど施設を回った経験から、私の中にはそんな判断軸が残りました。

まとめ

両親の介護施設を探して10カ所ほど見学したことで、私は施設によって雰囲気がかなり違うことを知りました。

少し暗いと感じた施設もありました。

一方で、職員の方が入居者と一緒に散歩している姿も見ました。

相談員やケアマネジャーと介護士が会話している光景も印象に残っています。

そして今振り返ると、私が見ていたのは単に「感じの良い職員がいるか」だけではなかったのだと思います。

親の生活を支えるいろいろな人がいて、その人たちがどう関わっているのか。

そこまで含めて施設の「人」なのかもしれません。

もちろん、施設選びで何を重視するかは家庭によって違うでしょう。

建物、費用、距離、設備、介護体制。

どれも大切です。

ただ、もしあなたが親の介護施設を見学することになったら――。

そこで働く人たちの、どんな姿を自分の目で確かめたいですか?

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