10カ所ほど見て、少しずつ違いが見えてきた

介護士・看護師・ケアマネジャー・相談員が自然に連携している様子を、60代の息子が見学している場面

両親の施設探しを始めた頃、私は介護施設について詳しかったわけではありません。

そこで、自宅のある区内を中心に、隣接する区も含めて10カ所ほど見学しました。

実際に足を運んでみると、施設によって印象はかなり違いました。

建物の立地から少し暗く感じる施設がありました。フロントに入っても明るい印象ではなく、職員の方々にもどこか暗い雰囲気を感じたところもあります。

反対に、今でも覚えている光景があります。

介護士の方が入居者と一緒に散歩をしていました。

特別なイベントではありません。ただ一緒に歩いているだけです。

でも、

「親がここに入ったら、毎日こういう人たちと接するんだな」

と思いました。

施設を見るというより、そこで働く「人」を見る。

10カ所ほど回るうちに、私の見るところも少しずつ変わっていきました。

「ここならお願いできそう」と思えた施設

最終的に選んだ施設は、まったく情報がないところではありませんでした。

両親がデイサービスを利用していた時のケアマネジャーから、以前から評判が良いと聞いていた施設です。

それでも、評判だけで決めたわけではありません。

実際に見学しました。

職員の方々の対応を見る。施設の雰囲気を見る。そして自宅からの距離も考える。

それらを自分たちで確かめて、

「ここならお願いできそうだ」

と思いました。

今振り返っても、ケアマネジャーから聞いた評判と、自分たちで10カ所ほど見て比較したことは、かなり判断材料になったと思っています。

誰かの評判だけでもない。

一つの施設だけを見て決めたわけでもない。

いくつか実際に見ることで、自分なりの比較する基準ができていったのかもしれません。

一人の職員だけでは親の生活を支えられない

見学を重ねる中で、もう一つ分かってきたことがあります。

施設で両親の生活を支えるのは、介護士だけではありません。

ケアマネジャーがいる。

看護師がいる。

相談員がいる。

そして介護士がいる。

事務室で相談員やケアマネジャーと介護士が会話している姿を見たこともありました。

最初は「親切な介護士さんがいるか」という目で見ていたと思います。

でも今なら、少し違います。

それぞれ違う役割の人たちが、うまく連携しているだろうか。

そこも気になります。

親の生活を支えてくれるのは、一人の「良い人」ではなく、いろいろな役割を持った人たちだからです。

入居してから「体制」も気になるようになった

そして、これは実際に両親が入居してから感じたことです。

ある時、1ユニット10人程度の入居者に対して、2人の介護士で対応していたものが、1人での対応に変わりました。

私はそこで初めて、職員の人柄とは別のところにも目が向きました。

一人ひとりの職員が温かく接してくれることと、それを無理なく続けられることは、同じではないのかもしれない。

そう感じました。

介護士の方々はローテーションで交代します。

毎日同じ人が担当するわけではありません。

だから今もう一度施設を見学するなら、

「何人くらいの入居者を、何人の介護士で見ているのだろう」

「どんなローテーションで対応しているのだろう」

というところも聞いてみたいと思います。

これは、介護士の人数が多ければ良い、と私が判断できる話ではありません。

私は介護の専門家ではありません。

ただ、家族として実際に両親をお願いした経験から、「温かい人がいるか」だけでなく、「その温かさを続けられる体制なのか」も気になるようになったということです。

見学だけでは分からない。それでも見学には意味があった

もちろん、短時間の施設見学ですべてを知ることはできません。

見学した日にたまたま見えた光景もあるでしょう。

実際の入居生活が始まって初めて分かることもあります。

それでも私は、見学したことにはかなり意味があったと思っています。

10カ所ほど回ったからこそ、施設による違いを感じることができました。

職員の雰囲気も比較できました。

そして、デイサービスの頃からお世話になっていたケアマネジャーの評判と、自分の目で見た印象を重ねて考えることもできました。

今もう一度探すとしても、おそらく同じように複数の施設を見ると思います。

ただし、見る場所が一つ増えます。

建物から人へ。
人から、人と人との連携へ。
そして、その介護を支える体制へ。

両親の施設を実際に選び、その後の生活を見てきたことで、私の判断軸も少しずつ変わりました。

まとめ

両親の施設を探した時、私は10カ所ほど見学しました。

その中で、介護士の方が入居者と散歩する姿や、ケアマネジャー、看護師、介護士、相談員などが関わっている様子を見るようになりました。

そして、ケアマネジャーから聞いていた評判、自分たちで見た職員の対応、自宅からの距離などを考えて、最終的な施設を選びました。

今でも、その判断は良かったと思っています。

ただ、実際に入居してから新しく見えてきたものもありました。

それが介護を支える「体制」です。

今なら、職員の温かさを見るだけではなく、その温かい介護を無理なく続けられる環境なのかも聞いてみたい。

施設を選ぶ前に分かること。

実際に入居して初めて分かること。

両方あるのだと思います。

だからこそ「良い施設とは何か」という一つの答えを探すより、自分たち家族は何を確かめてから親をお願いしたいのかを考えておくことが大切なのかもしれません。

もしあなたが親の介護施設を見学するとしたら――。

建物、職員の温かさ、職員同士の連携、そして介護の体制。

あなたなら、何を自分の目で確かめておきたいですか?

「良い施設」を探すより、自分で確かめたい

10カ所ほど見学した私にも、「良い施設はこうです」と言い切ることはできません。

ただ、自分の親がそこで暮らすことを想像しながら、実際に見てみることには意味があったと思っています。

職員の対応。

入居者との接し方。

職員同士の連携。

そして今なら、その介護を続けられる体制なのかも気になります。

自分たちだけで候補を探すのが難しい場合は、希望条件を相談して候補を絞り、そこから実際に見学する方法もあります。

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